知名度: 4.0
発見難易度: 5.0
フランス中南部ジェヴォーダン地方の森で目撃された未確認生物
1974年のある日、オオカミに襲われたと思われる深いキズを負った少女の遺体が発見された。
その後も続々と遺体が見つかり、通常のオオカミよりはるかに凶暴な痕跡が残されていた。オオカミ男の仕業なのか、はたまた他の凶暴な生物の仕業なのか、さまざまな憶測が飛び交った。
何らかの恐ろしい生物は3年間にわたってジェヴォーダン地方を恐怖に陥れ、100人もの人々を死に追いやった。
犯人は「獣(la bete)」と呼ばれるようになった。
獣への関心はルイ15世をも介入させる
フランス国民の関心があまりにも獣に向いたため、ジェヴォーダンで起こった一連の出来事は国王ルイ15世の耳にまで届いた。
国王は獣を捕らえるため、追い払った少年に褒賞を与えたり自らの猟師を派遣したりした。
進展がないことに苛立ちを感じたルイ15世は、ついに自身の護衛である兵士を獣退治に派遣する。
部下たちは獣と思われる大きなオオカミを殺し褒賞を得たが、その2ヶ月後にまた襲撃が起こった。
再び大量の死者が出たとの報告を受けて町は恐怖に襲われたが、失敗を恥じた当局は関心をもたず正体は闇に葬られることとなる。
ジェヴォーダンの獣の正体は!?
ジェヴォーダン地方で起きたこれらの恐ろしい事件について、多くの諸説があげれらた。
最も有力だといわれたのは、オオカミ男が犯人ではないかという説である。
科学的に否定はされているが、オオカミ男を退治できると信じられている「銀の弾丸」で獣を撃ったという噂があったため、この伝説は長く残ることとなった。
対して歴史学者はもう少し現実的な説をあげている。
ジェヴォーダンの獣とは、むしろ復数の大きなオオカミだった可能性が高く、歪んだ報道とそれに続く国家的なヒステリーがこの獣のを生み出したのではないかというものだ。
結局獣の正体はいまだ解明されていないが、この謎めいた空気は今もなおジェヴォーダンに漂い続けるだろう。